2012年1月16日月曜日

早めに花粉症に手を打とう!薬の上手な活用法 (夕刊フジ) - Yahoo!ニュース

 花粉症は早く制した方がいい。例年、医療機関では1月になると花粉症患者の受診が始まる。今シーズンは昨年に比べて花粉の飛散量が少ないと予測されているとはいえ、シーズンに突入して症状がひどくなる前に手を打ちたい。薬局でも手に入りやすくなった一般用医薬品(OTC)をどう活用すれば良いのか。専門医に話を聞いた。

 ■クシャミ5回で…

 花粉症やアレルギー性鼻炎の人は約3910万人と推計され、そのうち約8割は、医療機関の受診もしくはOTCを活用しているという。花粉も多量に飛んでいない今季は、クシャミが出たら、花粉症よりも風邪と考えるのが一般的だろう。今の時期は見極めが難しい。どうすればよいのか。

 日本医科大学耳鼻咽喉科学講座の大久保公裕主任教授=写真=がアド� �イスする。

 「クシャミが5回以上連続した場合は、OTCを活用するとよいでしょう。花粉症の薬は2つに分かれていて、成分が複合的に処方されているOTCは、風邪による鼻炎も抑える作用があります。ただし、本格的なシーズンに入ってOTCを連続して活用するならば、成分が1つしか入っていない単剤の薬を活用した方がいい。効果を得やすく、眠くなるなどの副作用も少ないからです」

 花粉症も軽度であれば、OTCで十分対応できるという。大久保教授に聞いた花粉症対策のチェックシート(別項)も参考にしてほしい。

 ■花粉症OTC選び方

 花粉症でOTCを活用するといっても、気になるのは、眠気やだるさ、集中力の欠如などの副作用。「眠くなったから効いた」というのは大間 違いだ。成分が患部だけでなく脳にも影響を及ぼしている証という。

 「花粉症で使われている抗ヒスタミン薬が登場したのは1960年代で、当時の成分は脳血流関門を通って眠くなるなどの副作用を起こしやすい。近年、脳へ影響を与えにくい新たな薬が登場し、医療機関では処方しています。その医療機関用の薬を単剤でOTCにした『スイッチOTC』もいくつか出ています」(大久保教授)

 最も新しいスイッチOTCとしては、エスエス製薬「アレジオン10」(第1類医薬品)や田辺三菱製薬「アレギサール 鼻炎」(第1類医薬品)などがある。

 ■自己判断は禁物

 病院で受け取る薬と同じ成分の薬が、薬局でも手軽に入手できるならば、わざわざ医療機関に行く必要がなくなるのだろうか?  「 花粉症かな」と思ったときだけでなく、シーズン中も対処できる。しかし、そこには落とし穴があった。

 「スイッチOTCは、花粉症やアレルギー性鼻炎の症状しか抑えません。つまり、風邪には効かないのです。薬を飲んでも症状が治まらないときには、医療機関できちんと診断を受けてください。また、ご自身が花粉症と思っても、ハウスダストなど別のアレルギーが潜んでいることもあります。一度は検査を受けましょう」と大久保教授はいう。

 加えて、花粉症の中等度の症状や重症の人は、抗ヒスタミン薬以外の薬の治療も必要なため、医療機関を受診した方が無難だそうだ。上手に薬局や医療機関を使い分けながら、花粉症シーズンに備えよう!

■花粉症対策チェック

□5回以上連続してクシャミが出た ときには、薬局などで売っている一般用医薬品(OTC)を活用する

□10回以上連続してクシャミが出たときには、医療機関で受診を

□1度は医療機関の血液検査で花粉などアレルギーの原因の確認を

□シーズン中は、できればマスク、メガネを

□シーズン中は、帰宅後にすぐにシャワーを浴び、花粉を落とす

□花粉は太陽が昇ってから飛散量が増えるため、ジョギングやウオーキング、洗濯、布団干しなどは、早朝もしくは午前中に行う

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