ヨガが鬱病や不安障害にも効能ありとする研究発表 | MediaSabor メディアサボール
<記事要約>
ヨガのポーズや呼吸を整える動き、そして瞑想が、鬱病や不安障害に悩まされている脳の緊張を緩和させる働きがあるという新たな科学的研究成果が発表された。
ヨガの熟練者の脳をスキャンすると、 神経系のγアミノ酪酸(ガンマ アミノラクサン:通称GABA)が1時間のレッスン後すぐに健康な値に引き上げられる。ちなみに、このGABAの値が低い脳は、鬱病や不安障害に影響しているといわれている。
この研究を発表したボストン大学のストリーター博士は、今回の研究発表はヨガのような行動療法が、実際に神経系の変化を測定できた、はじめてのケースだと話す。
実験は、健康な8名のヨガ熟練者に、1時間のヨガセッションをさせ、11名のヨガ未経験者に1時間読書をさせた。1時間後GABA数値を測定。ヨガをした8名はいずれも平均27%の脳GABA数値が向上。読書をした11名は何の動きも見られなかった。なおヨガの流派は関係ないようで、熟練者は様々なスタイルのヨガを経験してきた人だった。
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しかし心理学者のシーガル氏はこの研究の疑問点を指摘する。特にヨガと読書を対比してGABA数値を測定している点だ。「運動そのものが、GABA数値になんらかの影響を与えている可能性がある」からだ。
それでもこの研究発表は非常に価値のあるものだ。ヨガ云々というよりも、ハイテク神経画像のおかげで、脳の変化が分かることにより、今後病理学的治療同様に、行動療法による治療の成果が分かるようになることを明らかにしたからだ。
07/06/07/ HealthDay Newsより
<記事解説>
鬱病や、不安障害は未だにその原因がすべて明らかになっていない。しかし治療にあたっては主に薬物療法が行われており、その効果は科学的に高いと実証されている。ただし便秘、眠気、口渇などの副作用があり、また即効性に欠ける部分もあり、別の治療法を求める患者も多いようだ。
ヨガと聞くと、エクササイズ、ダイエットの一部として日本では人気が高まったが、米国ではむしろ瞑想、自己実現のための鍛錬の手法として認識されている。
ストレスや不安disor上でフリーマガジンの記事
鬱病や不安障害の患者にとって、努力や無理をすることは禁物といわれているが、今回効果があるとされるヨガにおいては、精神を鍛えるという目的というより、無心な状態で、体を動かす。そのことが脳に好影響を与え、最終的に気分を安定させる効果をもたらすのだろう。
今回のヨガ研究の結果には、賛否両論があるものの、その効果については、少なくとも鬱病患者にとって、読書をするよりも効果が高い可能性を示している。また今後こういった研究結果を踏まえて、脳の動きを科学的に分析していくことで、より効果のある運動が見つかるに違いない。
■関連情報
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●ITmedia Biz.ID 2007/04/09
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●伊藤穣一 Joi Ito's Web 「変性意識状態とプラセボ効果」 2007/03/26
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