痛む場所から腰痛を分類する
一口に腰痛といっても、その痛む箇所、範囲は実にさまざまです。 腰というより、骨盤のあたりや、 おしりが痛む人もいますし、逆に背中とも腰ともいえない上の方が痛む人もいます。
その痛みの起こる場所と痛み方から、かなり正確に腰痛の原因を推定することができます。
腰が痛い
5つある腰椎の、どの腰椎に異常が生じても、いわゆる、「腰」と認識される範囲が痛むことがあります。 もちろん、腰部の上の方が痛ければ、上部腰椎(L1・2)に問題があることが考えられますし、下の方が痛ければ、腰椎下部(L4・5)に問題が生じていることが考えられます。
しかし、痛みの感覚というのは意外と曖昧なもので、「腰が痛い」という場合でも、痛む箇所が自分でもはっきりわからないことが多いのです。 そうしたことから、「腰が痛い」というときに、どの腰椎に痛みの原因があるかを調べるには、どういう動作をしたときに痛みがでるかで考えた方がわかりやすいと思います。
まず、腰を反って痛いとしたら、第1腰椎になんらかの異常があると考えられます。 前屈みで痛ければ、第5腰椎。 ただ、前屈・後屈の動作では、第1・3・5腰椎が連動しています。 痛みの直接の原因は、第1腰椎と第5腰椎にあるのですが、第3腰椎が捻れたりすると第1と第5腰椎の連動がうまくいかなくなり、前後屈で痛みがでることがあります。 この場合は、第3腰椎を調整することで痛みが快癒します。
捻って痛い場合、第3腰椎に問題があります。 多くは、上下の第2腰椎か第4腰椎とセットでおかしくなっています。 第2腰椎とセットで異常を起こし痛みがでることの方が多いですが、第4腰椎とのからみで痛む場合は、その痛みが激しいのが特徴です。
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「腰が痛い」という中で、動かなくてもいつも痛いというものは、第1腰椎に問題があります。 そして、「腰」と限定して痛みを訴える方の場合、多かれ少なかれ、第1腰椎 に問題があることが考えられます。 一般に腰と認識されているあたりの大部分の知覚は、第1腰椎と関係しているからです。
第1腰椎に負担のかかる生活を続けていると、その周囲の筋肉がだんだんと硬直し固まってしまいます。 そして、第1腰椎の可動性がある限度を越えて悪くなると、だんだん痛みが出てきます。
第1腰椎がこわばって、動きが悪くなるために起こる腰痛は、多くの場合激しく痛むことはありません。 どちらかというと、「ジワ〜っと痛い」 とか、「重いような痛いような」 といった感じの痛みです。 そして、ともかく 「いつも痛い」 というのが特徴です。 なにか動作をすると痛いというより、とにかく一日中腰が重苦しく痛いのです。
第1腰椎は、ヘルニアや椎骨の大きな位置異常といった、器質的な、目に見える形での異常を起こすことは少ない腰椎です。 ですから、現代医学の診断では、異常を見つけにくいということがあります。 (実際にさわってみれば、可動性を失っていて、筋肉も硬直し弾力がない)
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第1腰椎の硬直が原因で 「腰が痛い」 という人の中の何割かに、椎間板ヘルニアなどが見られることがあります。 整形外科などで、「このヘルニアがあなたの腰痛の原因です」 といわれ、ヘルニアの除去手術を受けるケースも出てきます。
しかし、ヘルニアがあるといわれた人の第1腰椎だけを調整して、腰痛が解消してしまうケースが結構あります。 その後の画像診断(レントゲンなど)でも、ヘルニアはなくなっていないのに、痛みだけはきれいになくなってしまっているのです。
画像診断だけでは、腰椎の機能の問題、つまり個々の腰椎の可動性や連動の問題はわかりません。 機能的な問題だけで痛みがでていることもあるので、ヘルニアなどの所見があっても、あわてて手術に踏み切るのは危険です。 しなくてよい手術をしてしまうことになる場合もあります。
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たとえヘルニアがあっても、今現在起こっている腰痛とそのヘルニアは、無関係かもしれないのです。 「将来痛むかも知れないから切っておこう」 などというのは乱暴な話です。
(整体法では、腰椎の弾力 ・ 可動性 ・ 連動を手技療法によって回復させ、同時に腹部の弾力 (腹圧) を取り戻すように誘導することで、ヘルニアの治療に成果を上げています。)
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腰から足が痛い
「腰から足が痛い」 「腰が痛くて足が痺れる」、もしくは 「臀部あたりから足が痛い」 という場合は、腰椎下部、つまり第4 ・ 第5腰椎にその原因があることがほとんどです。 (大腿外側は第2腰椎が多いなど、例外はあります)
器質的問題としては、第4・第5腰椎間、第5腰椎・仙椎間の椎間板ヘルニアや、第5腰椎の分離すべり症などが多く見られます。
機能的問題としては、第5腰椎の可動性の低下が見られ、その周囲の筋肉が硬直していたり、逆に萎縮(弛緩)しています。
そして、足が痺れたり、痛んだり、力が入らなくなったりする場合、多かれ少なかれ坐骨神経が障害されています。
坐骨神経にそって、おしりから足へと痛みが走る症状を、坐骨神経痛といいます。 坐骨神経は、第4 ・ 5腰椎と仙骨から出る神経の束が合わさり、大殿筋の下から大腿部の裏側を通り、大腿部の下3分の1あたりから前後にわかれてさらに下へと走っている神経です。 下肢 (脚部から足部) の運動と皮膚感覚を司る大事な神経です。
坐骨神経痛が起こる原因には、上記の第4・第5腰椎間、第5腰椎・仙椎間の椎間板ヘルニアや、脊柱管狭窄症などの脊椎由来のものが多く、その他に、梨状筋症候群があります。
梨状筋は臀部の下の方にある筋肉で、仙骨から始まって股関節についていて、下肢を外旋させる働きを持ちます。この梨状筋が硬直して、その下を走る坐骨神経を圧迫するために起こる症状を、梨状筋症候群といいます。
デスクワークなどで、長時間臀部の下部を圧迫していると起こったりします。 しかし、同じ状況で誰もが同じ症状を起こすわけではありません。 梨状筋症候群になる人は、やはり腰椎の可動性 ・ 弾力が失われているのです。
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現代医学では、最終的にはヘルニアなどの器質的な問題を、手術などで解決しようとするケースも出てきます。 しかし、多くの場合は、第5腰椎の可動性が回復するようにすれば、腰痛も足の痺れも改善します。
骨盤が痛い
「骨盤が痛い」 というものも、一般的には腰痛の一つとして考えます。 ここでは、骨盤の痛みについて説明します。 おしりが痛いという場合は、多くは上記の 「腰から足が痛い」 に近い症状です。
骨盤は、腰椎の下の仙骨という骨を中心に、それを両側から腸骨がはさむような形で形成されています。 腸骨は前の方では恥骨となり、恥骨結合で左右がつながっています。 また、下の方では坐骨となります。
腸骨 ・ 恥骨 ・ 坐骨は、一つながりの大きな骨で、まとめて寛骨(かんこつ) と呼ばれます。 つまり、寛骨が場所によって、腸骨 ・ 恥骨 ・ 坐骨と呼び方をかえるのです。
骨盤が痛いという場合、多くは仙腸関節周囲が痛みます。 仙腸関節というのは、おしりの上の方にある、左右一対の仙骨と腸骨のつなぎ目の関節です。 骨盤は動かない一つの骨だと思われている方もいらっしゃるかも知れませんが、仙腸関節は、上下 ・ 左右 ・ そして開閉と、体の内部の働きと連動して精妙に動いているのです。
女性の骨盤の動き、特に開閉の動きはとてもダイナミックです。 出産時はその代表例ですが、ふだんでも月経 ・ 排卵のリズムに合わせて、かなり大きく開閉しています。 これにくらべると男性の骨盤は動きが乏しく、女性とくらべるとほとんど動かないといってもいいぐらいです。 そのため、骨盤が痛くなるのも女性が圧倒的に多く、特に出産後から骨盤が痛くなったというケースが目立ちます。
出産時に、いっぱいに開ききった骨盤は、出産後に徐々に閉まってきます。 このとき左右同時に閉まっていくのではなく、片側ずつ交互に閉じていくのです。 この産後の骨盤が閉じる過程で、片側が閉じきないままで固まってしまうことがあります。 それが、後になって骨盤の痛みを引き起こすこととなります。
( ※ 骨盤が片側ずつ閉じていく過程は、同じ体温計を二本用意して、左右の脇の下で同時に体温を測ることで知ることができます。 体温の高い側の骨盤が閉まっているのです。 そして、左右の体温がそろったときが、骨盤の左右がそろったときです。それまでは腰に力を掛けないように寝ていて、左右の体温がそろったときに起きあがれば骨盤はきれいにそろいます。)
骨盤の動きは、第4腰椎が支配しています。 骨盤の痛みは、骨盤自体の歪みを調整しつつ、第4腰椎を正していくことで改善できます。
ただし、骨盤内臓器をはじめとする内臓の疾患などからも、骨盤に痛みが出ることもあります。 腰痛でもそうですが、そのあたりの見極めは大切になります。
尾骨が痛い
尾骨が痛いという人は、実はかなり多いのです。 しかし、尾骨を強打したなどの場合を除き、尾骨自体の問題で痛みが出ることはあまりありません。 ほとんどは、腰椎と骨盤の動きの問題です。
尾骨周囲の筋や皮膚は、尾骨自体と第4 ・ 5仙椎から出る神経によって支配されています。 しかし、実際の治療となると、直接尾骨や仙骨にアプローチするよりも、第4腰椎の不都合(可動性の低下、筋の萎縮 ・ 硬直など) を調整した方が、早く効果が出ます。 これは、やはり第4腰椎が骨盤の運動をコントロールする働きの中枢だからだと思われます。
また、尾骨は頭の働きと関係が深く、尻餅などで尾骨を強打すると脳に出血を起こすこともあります。 ヒステリーなど、精神的な変動には、尾骨の調整が大切になります。 焼き塩を和紙でくるんで尾骨を温めることは、ヒステリーやイライラがおさまらないなどの症状に卓効があります。
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